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娘の難聴分かっていれば…小5で判明、遅れた療育 新生児検査「異常なし」に盲点

2018.11.05 11:03|情報
以下、西日本新聞 より引用

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「小学5年の娘が、最近になって難聴だと分かりました」。
福岡県内のゆり子さん(30代、仮名)から、無料通信アプリLINE(ライン)を通じて特命取材班に相談が寄せられた。
生後間もなく、耳の聞こえを調べる新生児聴覚スクリーニング検査を受けた際は「異常はなかった」という。
どういうことか。

■小5で判明、遅れた療育

「2歳になっても全くしゃべらなかった」というゆり子さんの娘。名前を呼んでも反応がなかったという。
「新生児聴覚検査では異常なしだったし、娘の背後で物音を立てると振り向くので『やっぱり聞こえてる』と思っていた」。
保育士や言語聴覚士などに相談したところ、知的障害の疑いを指摘された。

知的障害の特別支援学校に入学した後、病院に足を運んだものの、医師の見解は
「言葉が出ないのは知的障害のためでしょう」。ゆり子さんはその言葉を受け止めるしかなかった。

娘が小学5年になった今年、担任教諭から「耳が聞こえていないと思う。口元を見ている」と指摘された。
聴覚のありとあらゆる検査を受けようと決心し、やっと、難聴の一種「オーディトリー・ニューロパチー」であると分かった。
加我君孝東大名誉教授によると
「音自体は聞こえるが、不明瞭に聞こえるため、言葉として聞き取ることができない」のが特徴という。

      ■

なぜ、新生児聴覚検査で分からなかったのか。

新生児聴覚検査は、自動ABR(自動聴性脳幹反応)とOAE(耳音響放射)の2種類。
加我名誉教授は「オーディトリー・ニューロパチーはOAEだと正常と出る。
『何も悪くない』と言われやすいが、断言しては駄目なんです」。OAEで調べられるのは内耳まで。
一方、自動ABRは内耳と聴神経を同時に調べることができるため、検査に引っ掛かるという。
ゆり子さんの娘はOAEを受けていた。

厚生労働省は既に、都道府県などに対し「検査は自動ABRで実施することが望ましい」と呼び掛けている。
日本耳鼻咽喉科学会も同様に推奨しているが、自動ABRの検査機器は約250万円。
OAEは約100万円強で、検査がより短時間で済むことなどから、普及が進んでいない。

大分県によると、同県内の検査実施施設のほとんどはOAEを採用し、
福岡県では分娩(ぶんべん)を扱う診療所88施設の約半数はOAEという。
長崎県では、2016年度に同県で生まれて検査を受けた新生児9848人のうち、約4人に1人がOAEを受けている。

      ■

今まで知的障害児として教育をしていた娘に、手話を教え始めたというゆり子さん。
みるみる上達する娘を見ていると「知的障害の程度は、実は軽かったのではないか」
「自動ABRを受けられていたら、今ごろ話せていたかもしれない」と思わずにいられない。

九州大医学部耳鼻咽喉科の中川尚志教授は
「適切な時期に適切な介入をしていれば、二次的な知的障害が防げ、障害が今より軽減されていた可能性がある」と話す。

「障害は不便だけど不幸じゃない。けれど、周りの大人が不便に気付いてあげられないのは、
子どもにとって不幸ではないでしょうか」とゆり子さん。
自動ABRの普及とともに、親や医師、教育関係者ら子どもに関わる全ての大人に、この難聴を広く知ってもらうことが願いだ。



◆オーディトリー・ニューロパチー
1996年に論文発表された「新しい難聴」。
九州大医学部耳鼻咽喉科の中川尚志教授によると、通常、空気の振動である音は鼓膜で受け止められ、
内耳にある有毛細胞で電気信号に変換。
信号は有毛細胞からシナプスを介して聴神経で運ばれて脳に伝わり、言葉として認識できる。
オーディトリー・ニューロパチーの場合、内耳までは正常だが、有毛細胞から聴神経に信号の伝達がされない、
もしくは聴神経がうまく機能せず、信号が十分運ばれないことが原因とみられる。
「1000人に1、2人とされる先天性難聴の5%程度」とする海外文献もある。
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盲ろう者も対話可能に 視覚障害者らがアプリ開発

2018.11.02 10:50|情報
以下、朝日新聞DIGITAL より引用

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目と耳が不自由な人たちがコミュニケーションをとれる無料アプリを東京都練馬区の視覚障害者、長谷川貞夫さん(84)が
考案し、ウェブデザイナーの高岡健吾さん(51)らの協力で実用化した。
点字の構成を応用してメッセージを送り、振動で読み取るしくみ。
触手話など互いに触れて対話する従来の方法とは違い、通信を使って対話できるのが特長だ。

全盲の長谷川さんは31歳のときから東京教育大付属盲学校(現・筑波大付属視覚特別支援学校)で教員として働き、
視覚障害者向けのワープロやパソコンの開発にも携わった。
「盲ろう者は通信手段がなく取り残されている」と感じ、長年盲ろう者向けのものを作ろうと考えてきた。

今回開発したアプリ「ザ・ブレイル」では、スマートフォンの画面の左側に1~3、右側に4~6の数字が並ぶ。
点字と同様、6個の点を組み合わせて50音を表現するしくみだ。
伝えたい文字の点6点の組み合わせを指でなぞって一筆書きして入力。

中央のボタンをタップして送信すると、一文字につき2~6回(1~6秒)の振動の長短で伝えられる。
点字が理解できれば、目が見えず耳も聞こえない「盲ろう者」と視覚障害者はこのアプリを使うことができる。

大人の耳鳴り、薬は効かず 患者1千万人、初の診療指針

2018.10.23 09:01|情報
以下、朝日新聞DIGITAL より引用

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大人の10人に1人以上が抱えている「耳鳴り」の診療に関する国内初の指針案を日本聴覚医学会がまとめた。
18日、神戸市であった大会で概要を発表した。
耳鳴りの多くは薬による治療は効果がなく、カウンセリングを丁寧にして
耳鳴りとうまく付き合えるように支援することの重要性を強調している。

耳鳴りは外に音源がないのに、自分の耳の中で音が聞こえる状態。
米国の診療指針(2014年)では、耳鳴りの経験がある人は成人の10~15%とされ、
日本には1千万人以上いるとみられる。
ストレスや難聴、耳の病気のほか、原因がよくわからない場合もある。
多くは回復が難しく、症状を和らげながらうまく付き合うことが必要だ。

指針では、治療の際にまずカウンセリングをすることを推奨した。
耳鳴りの原因や付き合い方を知ることで、患者が覚える不安や苦痛を軽くできる場合も少なくないと指摘した。

厚労省 障害者手帳をカードでも 来年度から希望者に

2018.10.22 08:50|情報
以下、毎日新聞 より引用

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障害がある人が持つ「身体障害者手帳」と「精神障害者保健福祉手帳」が
来年度から、希望者にはカードで交付されるようになる。
紙製より耐久性があり、持ち運びに便利なカードへの変更を求める声が上がっていた。
厚生労働省が、社会保障審議会の部会の了承を得た上で、政令を改正する。

両手帳は身体障害者福祉法と精神保健福祉法に規定され、政令で様式が決められている。
本人の申請を受けて都道府県や政令市などが交付し、取得者は電車やバスなど
公共交通機関の料金割引や所得税控除などの優遇措置を受けられる。
2016年度末時点の取得者は身体障害者手帳が約515万人、精神障害者保健福祉手帳が約92万人。

カードへの記載項目は氏名や住所、障害の程度などを想定している。
カードを希望しなければこれまで通り紙製の手帳を交付する。

知的障害者に交付される「療育手帳」は、国の通知に基づいて都道府県や政令市が独自の体裁で発行できるため、
既に一部の自治体がカード化している。

「LGBTは生産性がない」発言に潜む、他者と比べてしまう人間の性。そこから見えてきたものとは

2018.10.09 17:13|情報
以下、Yahoo!ニュース より引用

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今年の夏、「新潮45」8月号に寄稿された杉田水脈議員の「LGBTは生産性がない」発言は様々なところで波紋を広げました。

国会議員という立場でありながら「LGBは、嗜好のようなもの」(「新潮45」)原文ママ)と間違った認識をし、
「生産性」という言葉で人をはかる価値観を露呈したからです。
それに対して抗議の声を上げたのは、LGBTの人達だけではありません。
難病患者・障害者、そして、街の人々の思いを取材しました。

◇LGBは性的指向であり、嗜好ではない

ここ数年、今まで見えないことにされていたLGBTがテレビや新聞で取り上げられる頻度は上がっています。
電通ダイバーシティ・ラボの調査によると日本では13人のうち1人がLGBTと言われています。
企業や学校ではLGBTの社員や児童生徒への理解普及、環境整備が進められています。

このような社会の流れに対して、国会議員という立場にありながら、
好きになる性の指向を「嗜好」と間違えて公言することは、LGBTへの差別意識を深めることにつながります。
本来、国会議員ならば、率先してLGBTの人権を認め、社会の壁を見極めて取り除き、
法や環境の整備を推し進めるべきではないでしょうか。

◇抗議したのはLGBTの人達だけではない

障害者・難病患者の「生きてく会」は8月に都内で記者会見を開き、杉田議員の発言に対して抗議の声を上げました。
「生産性がないLGBTに税金を投入することは果たしていいのかどうか」という考えは、
一昨年の相模原障害者殺傷事件の植松被告の「日本には金がないのだから、
社会の役に立たない心失者(障害者)を活かしておく余裕はない」という発言と同質であり、
その根底には優生思想が流れています。
そうした思想を肯定する人々がいることに彼らは危機感を募らせています。

会見に出席した内山裕子さんは、ギラン・バレー症候群の後遺症があり、
現在も薬による治療をしているため、子どもを産むことができません。
記者会見では自身の経験を話し、重度の障害があるために子どもを産むことができない人など、
多くの人が傷ついていることを伝えました。

ALS患者である、JPA(日本難病・疾病団体協議会)の岡部宏生理事は、
誰しも病気や障害をもつ可能性はあり、当事者の目線を持って今回の発言を捉えて欲しいと訴えました。

「生きてく会」は、社会的少数派への行政支援のあり方を議論する前に、
まず共通の理解を深める場が必要だと考えています。
10月半ばには与野党の国会議員、少数派当事者、支援者の間で
「政治から差別発言をなくすために私たちができることは?」というテーマに意見交換を行う予定です。

◇一般市民の声

杉田議員の「生産性がない」発言について街の人はどのように感じたのでしょうか。

飲食店を経営する田島慶一さんは、「『生産性』は『作る』という意味だから、人に当てはまらない」と言い、
人を機械のように「生産性」という軸で評価することに疑問を投げかけます。
その上でサラリーマンだった時、周囲と比べる評価制度がストレスになり、うつ病になったことを打ち明け、
人は人の上に立ちたい思いが根底にあると思うと評価社会への複雑な胸の内を話しました。

◇評価社会から本来の「わたし」を取り戻すために

私が今回の取材で感じたのは、「生産性」で人をはかる発言の根底にあるのは、
行き過ぎた評価社会の表れではないかということです。
もちろん、人は誰もが認められたい、人の役に立ちたいという思いが大なり小なりあり、
その感情は働きがい、生きがいに結びつく場合もあります。
しかし、その度が過ぎると理想から遠ざかってしまった時、自分は価値がないと感じたり、追い込んだりすることになります。

そして、その度が過ぎた思考が自己だけでなく他者との関係性に持ち込まれた時、
高齢者、障害者など「弱者」とされている人達への差別意識や偏見、排除につながります。
このような思想を内面化させると自分が「弱者」になった時に「私は役に立たない人間」という刃となり、
今度は自分に向けてしまうのです。

人は社会的な動物である以上、評価したり、されたりしながら生きていくことから逃れられません。
だからこそ、自分の「ものさし」はどのように形作られているのかを見つめ、問い直し、語り直していく。
この作業が誰もが生きやすい社会づくりへの一歩となるのではないでしょうか。

手話で怒り、悲しみ

2018.10.01 12:42|情報
以下、毎日新聞 より引用

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◇強制不妊提訴 兵庫の夫婦が「声」

聞こえる人間も、聞こえない人間も対等です」―――旧優生保護法(1948~96年)に関する一連の国家賠償請求訴訟で
始めて、聴覚障害者が「声」を上げた。
神戸地裁に提訴した2組の夫婦は記者会見で、半世紀にわたり胸に秘めてきた怒りや悲しみを、手話を通じて訴えた。

中絶と不妊の手術を同時に受けさせられた兵庫県明石市の小林喜美子さん(86)は、
つえをつく夫宝二(たかじ)さん(86)と共に、会見の壇上に上がった。
結婚後ほどなく、喜美子さんの妊娠が分かったが、喜びもつかの間、母から
「赤ちゃんが腐っている」などと聞かされ、中絶手術を受けた。
夫婦は悲しみのそこに突き落とされたが「また子どもをつくろう」と励まし合ってきた。

だが、それから妊娠の兆しはなかった。「子どもができないのはどうして」。
疑問が氷解したのは今年。
旧法下で望まない手術を受けた障害者の存在を知人から聞き、自身の記憶と重なった。
宝二さんは怒りで顔をしかめながら「本当にずっと苦しかったことを国に訴えたい」と強調した。

一方、兵庫県内の高尾辰夫・奈美恵さん夫婦(70代・活動名)。
辰夫さんは結婚の条件として親から「子どもをつくってはいけない」と言われた。
式を間近に控えた頃、母に近所の病院に連れて行かれた。
ズボンを下ろされ「初めて不妊手術をされると気づいた」。
逃げたかったが、母に手話も通じず意思を伝えられなかった。

そのことを聞いた時、涙が止まらなかったという奈美恵さんは
「ろうあ者夫婦が子どもを持つ意思を尊重してほしかった」と訴えた。

2組の夫婦は、手話ができない親との意思疎通の難しさと、情報からの孤立の中で生きてきた。
ひょうご聴覚障害者福祉事業協会(兵庫県洲本市)の大矢暹(すすむ)理事長は、
原告と同世代の聴覚障害者が抱える背景として「生きるためには(結果的に)健常者に従順であることが求められ、
自由に意思を形成する教育や伝える手段が保障されなかった」と指摘する。

全日本ろうあ連盟(東京都新宿区、会員約1万9000人)は聴覚障害を理由に不妊手術や中絶を強いられた事例について
全国調査をしており、10月中にも結果を公表する予定。

◇大阪地裁に提訴女性「前の体に戻してほしい」

「手術を受ける前の体に戻してほしい」

不妊手術を受けさせられ、大阪地裁に提訴した女性(75)は、弁護団を通じてそう訴えた。
最愛の伴侶との子を持つ夢はかなわず、夫は事情を知らないままこの世を去った。
手術から半世紀を経ても、心や体の傷が癒えることはない。

大阪市内で生まれた女性は中学3年の時に日本脳炎になり、後遺症で知的障害に。
高校卒業後、母親に産婦人科病院へ連れて行かれ、説明のないまま手術を受けた。
後から「子どもができなくなる手術」と聞いてショックを受け、生きていくのも嫌になった。

1973年に結婚したが、手術のことは隠すよう母親に強く言われた。
夫婦仲は良く、子どもが欲しくてたまらなかったが、打ち明けられないまま92年に夫は亡くなった。

代理人の辻川圭乃弁護士は「遺伝性ではない障害者まで手術を強制された。
先天的でも許されないが、遺伝性でなくても手術できる法律を作った意味を国に問いたい」と語る。

女性の下腹部には2・5センチほどの手術痕が残る。
女性は「傷を見るたびに悲しくなる。国には私のショックと悲しみの大きさを知ってほしい」と訴えた。

聞こえるのに、聞き取れない私

2018.09.28 11:22|情報
以下、NHK NEWS WEB より引用

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「音量は普通に聞こえるのに、言葉が聞き取れないという症状に3年くらい悩まされています」

女子学生があげたこのツイートが拡散、「私もそうだ」と同じ症状に悩む人が次々と苦しさを訴え始めました。
時を同じくして耳鼻科医も偶然、症状を知ってもらうためのサイトを立ち上げていました。
この症状「聴覚情報処理障害」と言います。

◇めっちゃわかる 全く聞き取れない

“音は聞こえていても、話し声はよく聞き取れない”
そんな症状に悩む投稿が今月17日にツイッターにあがると1万8000回以上リツイートされるなど、急速に拡散しました。
その悩みは深刻で、ツイッター上にはつらさを訴える声が続々とあがっていきました。

“めっちゃわかる 字幕がないと テレビのセリフが全く聞き取れない”
“聴力検査では何の問題もないのに すごく聞きとりづらくて ずっと悩んでいます”
“友達がしゃべった一言が 文字として認識できない”

◇注文を聞き取れない

きっかけとなる投稿をしたのは東京に住む20歳の女子学生でした。
話を聞くと症状を自覚したのは3年前、高校3年生の時で、友人と会話をしていても聞き間違えることが続いたのです。

さらにアルバイト先の飲食店では客の注文を一度で聞き取れないことがありました。症状は徐々に悪化していきます。
「ことしに入ったころから、人の多い場所に行くと、ほかの人の笑い声が大きく聞こえて、
 近くにいる相手の声が聞き取りづらくなりました」
「電車のアナウンスが通常の2倍ほどの大きさで聞こえて、外に出るのもつらくなってきたんです」

女性は春に耳鼻科を訪れます。

◇仕事ができなくなる

しかし聴力検査の結果は異常なく、明確な診断名はつきませんでした。原因がわからないまま、症状は重くなってくる怖さ。
アルバイト先では客の注文に気付かず、遠くにいた同僚があわてて対応することが何度も続くようになります。
“将来、働くこともできなくなってしまう”―――不安は雪だるまのように大きくなっていきました。

◇聴覚情報処理障害

ある日、情報を求めて、インターネットに、“難聴”“言葉が聞き取りづらい”など自分の症状を入力していた時のことです。
“聴覚情報処理障害”という初めて聞く言葉が出てきました。その言葉の下に自分と同じ症状が記されていたのです。

“不安と、病名がちゃんとあったことに少し安心して涙が止まらない”
―――女性のこの日のツイートにはそう書かれていました。
そして「きちんと診断してもらえる病院がどこかにあるのか、原因や改善方法について情報がほしいんです」
女性はそう話していました。

◇きっかけは医師からの訴え

調べてみると、15年ほど前から聴覚情報処理障害の研究をしている学者がいました。
言語聴覚士で聴覚と障害について研究している国際医療福祉大学の小渕千絵准教授です。

“聴力は正常でも、騒音の中などで聞き取りにくさを訴える人がいる”

きっかけとなったのは医師からそんな相談が寄せられるようになったことでした。
文献などを調べてみるとアメリカで同様の症状が“聴覚情報処理障害”として複数、報告されていることがわかりました。

◇考えられる原因

そしてこれまでの研究の結果、患者は子どもからお年寄りまで年齢層は幅広く、
小渕さんはさまざまな原因が考えられるとみています。

▽聴力に関係する脳の一部に障害を受けたことがある
▽幼児期に中耳炎に長期間かかったことがある
▽睡眠がうまく取れていない
▽発達障害の傾向がある、などです。

「子どもの時から聴覚情報処理障害の傾向があっても気付かず、大人になって自覚するケースもあります。
また社会に出て心理的なストレスを抱えている人が発症する傾向があるとも感じています」(小渕准教授)

診察は耳だけを診ても原因が探れないため、生活環境を聞き取るなど時間をかけて進めるそうです。

国際医療福祉大学クリニックの言語聴覚センターでは、臨床目的で週1回、聴覚情報処理障害の専門外来を設けていますが、
患者は絶えず、9月26日現在、来年の3月まで予約が埋まっているそうです。

◇サイトを立ち上げたクリニック

女子学生がツイートをあげる4日前、聴覚情報処理障害に関する情報サイトを立ち上げたクリニックがありました。
東京・足立区のミルディス小児科耳鼻科です。

“声が聞こえているのに、言葉として聞き取れないのはどこか悪いからでしょうか”―――そんな相談が相次いだからです。

「この症状が疑われる患者は少なくありませんが、医療者の間でも認知度がまだまだ低く、診断できる医師も多くありません。
 聴覚情報処理障害を広く知ってもらうためにサイトを立ち上げました」(平野浩二院長)

情報サイトを立ち上げてから、症状を訴える患者がほぼ毎日、受診するようになったと言います。


◇自信をなくす病気

20代の女性は、会社の会議で議事録をとる係を任されたとき、発言内容を聞き取れず記録に残すことができませんでした。
上司や同僚に自身の症状をうまく説明できず困り果てていたとき、サイトを見て聴覚情報処理障害を知り、
飛び込みで訪れたそうです。

「聴力としては異常がないので、患者は『自分の能力に問題がある』と考えてしまい、
生活することに自信を無くすケースが多いのも特徴です。
『さっき言ったのに、なんで言うとおりにしないんだ?』などという言葉を周囲から受け、傷つくケースが多いのです」

◇病気とつきあっていく

クリニックでは、症状を訴える患者が「聴力検査」で異常がなければ、50音のどれかをランダムで発音し聞き取れるかどうかをチェックする「スピーチ検査」に移ります。

そこで一定以上の正答率であれば、聴力に問題がないため聴覚情報処理障害の疑いが高まり、
場合によっては脳の画像診断なども行って判断していくそうです。

治療方法はまだ確立されていないため、症状とうまく向き合っていくことが大切で、
平野院長は次のような対策を紹介しています。

▽周囲に症状を理解してもらい静かな環境で話を聞くようにする
▽相手には、身振り手振りも使ってはっきり繰り返し話してもらうようにする
▽それでも難しければメールやメモで要件を伝えてもらう

また仕事に就く際、会話の機会や電話応対が多い仕事をできるだけ避けることも対策の1つだと話していました。

◇自分を責めていた

きっかけとなったツイッターに寄せられた反応を全部読んでみました。

「小学生の時からずっと悩んでいた」「注意力がないからだと自分を責めていた」など、
“聴覚情報処理障害”を知らないため、またそうした診断にたどりつけなかったため苦しんでいた声が
たくさん寄せられていました。

そうした症状があることを、当事者の方だけが知るのではなく、多くの人が知ることで、
症状への理解が深まり暮らしやすい生活につながるのではないかと思います。

そしておそらく、広く知られていない苦しさはまだまだほかにもたくさんあって、悩んでいる人もたくさんいて、
でもそれに気付かないことがたくさんあるはずで、そうしたまだ知られざる苦しさへの理解が少しずつでも
深まるよう取材を続けていかなければと思っています。

もっと思い伝えたい

2018.09.27 10:29|情報
以下、毎日新聞 より引用

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国際手話を勉強中 駒崎 早李(さり)さん(25)

外国語を習得して、海外の人と交流したいと思う人は多い。それは聴覚障害者も同じだ。

4月からNPO法人「日本ASL協会」(東京都千代田区)で国際手話を学び始めた。
国際手話は世界ろう連盟の会議やデフリンピック(聴覚障害者の五輪)で公式に使われる共通語。
都が2020年五輪・パラリンピックに向け受講者に助成を始めたこともあり、
同協会の国際手話やASL(アメリカ手話言語)の講座がにぎわっている。

生まれつき聴覚に障害があるが、大学まで健常者と一緒に学び、一般企業に就職した。
「外国語」に興味を持ったのは、大学2年時の海外旅行がきっかけ。
同じろう者と仲良くなり「もっと深い話をしたい」と思うようになった。

大好きな東南アジアを10回以上旅して実感したのは
「海外の人は、手話ができなくてもコミュニケーションを取ろうとしてくれる」。
身ぶりでも口の動きでも、伝える方法はあるのに、日本では会話を諦めてしまう人が多い。
「徐々に変わっていくといいと思う」

週1回の授業は、表情も含めた豊かな手話表現が飛び交い、音がなくてもにぎやかな印象だ。
「上達したら、海外の友達に会いに行って驚かせたい。五輪のボランティアもやってみたい」と夢を語る。

「手話言語の国際デー」記念イベントが開催

2018.09.26 15:58|情報
以下、全日本ろうあ連盟ホームページ より引用

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「手話言語の国際デー」記念イベントが2018年9月23日(日・祝)13:00~16:30に、
六本木ヒルズ森タワーのYouTube Space Tokyoで、
アジア各国のろう者や在日大使館関係者などの参列のもと、開催されました。

主催は、世界ろう連盟アジア地域事務局と日本財団で、全日本ろうあ連盟も協力しました。

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当日の様子(画像)がたくさんアップされています。

「サイレントK」の14年 聞こえないプロ投手が引退

2018.09.24 16:23|情報
以下、朝日新聞DIGITAL より引用

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プロ野球・日本ハムの石井裕也投手(37)が22日、現役引退を表明した。
両耳に障害を抱えながら、中日、横浜(現・DeNA)、日本ハムと14年間、投げ抜いた。
通算成績は329試合、19勝19敗、6セーブ、82ホールド。

2004年のドラフト会議。当時、中日ドラゴンズの担当だった私は、指名された選手の顔ぶれを見て、少し不安だった。
6巡目、石井裕也、三菱重工横浜クラブ。生まれつき、耳が不自由、とは知っていた。
球場の歓声が、アマチュア時代とは比べものにならないプロだ。意思表示にも、連係にも声が何より重要になる。
果たして、やっていけるのか。

左耳は音を感じない。右耳は、高性能の補聴器でやっと聞こえる程度。しかし、マウンドではあえてスイッチを切っていた。
「いろんな音を拾ってしまって、かえって集中できないんです。だから、試合のときは切っています」。
静寂のなか、18・44メートル先の打者と対峙(たいじ)し、左腕から繰り出す力強いボールで三振を奪う。
「サイレントK(Kは、野球のスコア表記で三振を表す記号)」と呼ばれたゆえんだ。

耳が聞こえないぶん、情報を得るのは目でカバーした。連係プレーでは、相手の目と、指先の動きを見逃さなかった。
取材のときも、食い入るようなまなざしで、私の顔を凝視していた。
きっと、口の動きを見て、補聴器に頼らず、一言一句、逃すまいとしていたのだろう。
こちらも正確に伝えようと、ゆっくり話す。
石井裕の取材は他の選手より時間がかかったが、その分、思いが通じ合った気がした。

2016年、北海道日本ハムファイターズの担当になって石井裕と再会した。そのシーズンに、通算300試合登板を果たした。
「高校時代から注目していたけど、ハンディがあるので、高いレベルで見極めようとしたんだよ。
 300試合なんて、私たちもうれしい限り」。
電話の向こうで弾む、中日・中田宗男スカウト部長の言葉が記憶に残っている。
石井君、お疲れさま。君の瞳を、忘れない。
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