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難聴を克服して56年ぶりの五輪へ 円盤投げ・湯上の「不器用なので」③

2019.01.11 15:13|情報
以下、Number Web より引用

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◇海外勢と仲間になることが必要条件。

日本代表として初の海外遠征となったアジア大会。
自己ベストに4m以上及ばない57m62で6位。メダルには届かなかった。

「自分にプレッシャーをかけすぎてしまいました。メダルを狙っていたので、ちょっと凹みましたね」。
慣れない海外での試合環境、プレッシャーなど、そして「聞こえない苦労」もあった。

「知らない選手ばかりだったので彼らのユニフォームを見ながら、自分の順番を確認していました。
 でも予選と決勝で投げる順番が変わったので、『オレ、どこ?』ってなりましたね」

日本では仲間が「次は湯上だよ」と教えてくれるが、海外選手は湯上の障害を知らない。
技術面の向上とともに湯上に必要なのは、円盤投の海外勢とも仲間になること。

ストレスなくパフォーマンスするには、海外選手の助けも少なからず必要になってくる。
顔見知りになっていれば、試技の時に声をかけたり、合図をしてくれる選手も出てくるはずだ。
積極的に海外遠征に出て、世界で『円盤仲間』を作ることが必須条件になってくる。
所属先のトヨタ自動車も「どんどん世界に挑戦してほしい」と積極的に支援を約束する。

◇「円盤が飛ぶ姿は魅力的です」

円盤投は陸上競技の中でもどちらかといえば目立たない種目だ。
湯上は「円盤が飛ぶ姿は魅力的です。投げる時にバチンと決まった瞬間、円盤が本当にきれいに飛んでいくんです。
 弾けるように、と言ったらいいんでしょうか」と表現する。

直近の目標はドーハ世界陸上と東京五輪の出場だ。
出場のために必要な記録は65m。自己ベストを3m近く伸ばさないといけない。
さらに、陸上の男子円盤投げは、1964年の前回東京大会以来、日本選手は五輪に出場できていないのが現状だ。

しかし湯上には焦りはない。
「できないことをひとつひとつ克服していけば、記録は伸びると思うし、目標は絶対に達成できると思っています。
 まだまだ力任せに投げている部分があるので、力まずに楽に投げられるようになれば記録は伸びると思います。
 練習でも自分は不器用なのでできないことが沢山あるんです。1つずつコツコツと地道に努力していきます」

世界の空に、そして2020年夏の東京の空に、湯上の円盤が美しい軌跡を描くことを期待したい。
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難聴を克服して56年ぶりの五輪へ 円盤投げ・湯上の「不器用なので」②

2019.01.10 14:56|情報
以下、Number Web より引用

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◇難聴は自分の世界に入る武器でもある。

湯上は先天性難聴を抱え、6年生の時に左耳に人工内耳を埋め込む手術を受けている。
普段は耳にマイクの役割を果たす補助器具をつけており、補助器具が集めた音が人工内耳に伝わり聞こえるという仕組みだ。

試技の際には補助器具を外して投てきサークルに入る。
「補助器具を外すと周囲の音が聞こえなくなって、とても集中できます」

周囲のざわめき、会場のアナウンス、ほかの種目の盛り上がり。何も聞こえない、静寂の世界に入る。
聞こえるのは自分の息づかいと身体の声だけだ。
呼吸を整え、心身が一致した時に投げに入る。

自分の世界に入るために、難聴は決してマイナスではない。だが、そこにたどり着くまでに多くの困難がある。
補助器具は、周囲の音すべてを拾うマイクのような働きを持つ。
隣の選手のおしゃべりの声、遠くにいるコーチや観客の声、後ろにいる審判の声。すべての音が耳に入ってくる。

「スタジアムでの選手紹介の時が困ります。隣の選手の動きで『次は自分が呼ばれる』と思っていても、
 アナウンスがぼやけて聞こえるので、聞き漏らさないように集中します。
 競技中も試技を飛ばさないように気をつけていますが、投げる前に疲れちゃうんです」

ほかの選手にとってはスムーズに進むことが、湯上にとってはストレスになる。
「音に関係する部分で疲れます」
聞こえない困難を乗り越え、武器にする。そんな世界で湯上は生きている。

◇同じ境遇の子に「大丈夫だよ」と。

陸上は「消去法」から始めたものだった。幼い頃は球技に興味、憧れを持っていた。
しかし6年生の時に人工内耳を埋め込む手術を受けた後、医者からコンタクトスポーツを止められている。

でも、スポーツがしたい――。そう訴えた少年へ周囲は陸上競技を勧めた。
100mなど音に反応して行わなければならない種目は難しい。
ある程度自分のペースで行えて、体格を生かせる種目が陸上の投てきだった。

「僕には陸上しかなかったんです。(難聴の影響でやれることの)道がどんどん狭まってきた。
 でも僕は陸上で頑張る道を見つけました。だから今はその道を追究しようと思っています」
ちょっと目を潤ませながら続ける。
「自分と同じような境遇の子に、『大丈夫だよ』って言ってあげたいんです」

力強く言い切った後、間をおいてこう続けた。
「僕が競技をしている目的は、夢、希望、感動を届けられる競技者になることなんです。
 ハンデを持っている人たちの励みになるような、強いメッセージを送ることができる選手になりたいと思っています」

JAL、遠隔手話通訳サービス開始 コールセンターやカウンターで

2019.01.08 14:30|情報
以下、Traicy より引用


日本航空(JAL)は、聴覚障害者が手話を使って問い合わせ窓口で手続きができるよう、
遠隔手話通訳サービスを12月11日より開始した。

手話通訳はシュアールが提供し、JALグループのコールセンターやJALプラザ、
羽田空港の一部カウンターへの問い合わせなどの際に利用できる。
自身のパソコンやスマートフォンなどの端末から遠隔手話通訳サービスのページに進むことで利用できる。
JALプラザと羽田空港では、タブレット端末を用意する。
これまではメールやFAX、筆談のみに限られていたものの、手話でも問い合わせができるようになり、
よりタイムリーに案内できるとしている。

対応できる窓口は、
国内線/国際線の予約・購入・問い合わせ、JALマイレージバンク事務局、JALプライオリティ・ゲストセンター、
JALご意見・ご要望デスク、JALカード各顧客対応窓口、ジャルパック国内/海外ツアーに関する予約・問い合わせ、JALプラザ。
羽田空港国内線ターミナルでは2019年3月末日までトライアルを実施する。

自責の母「予防接種を」

2018.12.20 09:57|情報
以下、毎日新聞 より引用

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風疹が猛威をふるう中、予防接種の大切さを広めようと奔走する女性がいる。
大阪府守口市の大畑茂子さん(52)は妊娠中だった21年前に風疹にかかり、生まれた娘には難聴の障害が残った。
「子供に被害が及ぶのは、声を上げてこなかった私たちの責任だ」。
大畑さんは同じような母親らと家族会を発足させ、ワクチンの早期接種を呼びかけている。

大畑さんは1997年8月、三女の花菜子さん(20)を妊娠して14週を迎えた頃に風疹にかかった。
この直前、幼稚園児だった長女も風疹になっていた。
「予防接種を受けた記憶はなかったが、感染すると思わなかった」。
40度を超える高熱と全身の発疹が続き、約1週間入院した。

妊娠初期に風疹にかかると胎児の目や耳、心臓に障害が出る可能性を、医師の言葉で初めて知った。
「先天性風疹症候群」。
合併症で死の危険もあり、医師はこう付け和えた。「中絶して帰るよね」。
心ない一言に動揺したが、夫(52)の「何があっても俺らの子や。見捨てられへん」という言葉に救われ、5カ月後に出産した。

花菜子さんは生まれつき耳が聞こえにくい。
幼い頃には後ろから迫る車の音に気付かず、大畑さんが抱き寄せたこともある。
周囲に配慮を求めたが、難聴の原因は隠した。
「私の無知が全ての始まり」と、罪悪感を抱え込んでいたからだ。

5年前の春、一人の女性との出会いが転機になった。
報道機関の紹介で、妊娠中に風疹にかかり目に障害のある長女を産んだばかりの西村麻依子さん(36)と知り合った。
自分を責め続ける西村さんに接し、悔しくて涙が止まらなかった。

「黙っていても何も変わらん」。大畑さんはこの年、西村さんらと「風疹をなくそうの会」を設立。
自らの体験を講演会で語り、ホームページで情報発信する。
大学生になった花菜子さんが「私も力になる」と活動を手伝ってくれる時もある。

風疹が大流行する今年。大畑さんは、友人から以前教えられたある演劇の存在を思い出した。
「遥かなる甲子園」。
半世紀前、風疹の影響で難聴になった沖縄の子らが、甲子園を目指す物語だ。

「演劇なら風疹を身近に考えてもらえる」と考え、この舞台を続けてきた大阪の劇団に相談。
家族会が資金を募り、来年1月14日に大阪市中央公会堂で公演を主催することが決まった。
2月24日には東京公演もあり、いずれも入場無料。
大畑さんは「風疹はワクチン接種で防げる。大切な家族や周囲の人を悲しませずにすむことを、もっと広めたい」と訴える。

◇患者数 昨年の26倍

国立感染症研究所によると、今年の風疹患者数は5日現在、2454人で昨年1年間の26倍に達している。
2000人を超えたのは2013年の大流行以来5年ぶり。

感染研によると、風疹は予防接種で防げるが、妊婦は受けられない。
5年前の流行期には妊婦の感染も続発。全国で45人の乳児が先天性風疹症候群にかかり、うち11人が死亡した。
このため周囲の感染予防が大切になる。

厚生労働省は今年、子供のころにワクチンの定期接種を受ける機会がなかった39~56歳の男性について、
予防接種の費用を来年から3年間は原則無料にすると発表した。

娘の難聴分かっていれば…小5で判明、遅れた療育 新生児検査「異常なし」に盲点

2018.11.05 11:03|情報
以下、西日本新聞 より引用

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「小学5年の娘が、最近になって難聴だと分かりました」。
福岡県内のゆり子さん(30代、仮名)から、無料通信アプリLINE(ライン)を通じて特命取材班に相談が寄せられた。
生後間もなく、耳の聞こえを調べる新生児聴覚スクリーニング検査を受けた際は「異常はなかった」という。
どういうことか。

■小5で判明、遅れた療育

「2歳になっても全くしゃべらなかった」というゆり子さんの娘。名前を呼んでも反応がなかったという。
「新生児聴覚検査では異常なしだったし、娘の背後で物音を立てると振り向くので『やっぱり聞こえてる』と思っていた」。
保育士や言語聴覚士などに相談したところ、知的障害の疑いを指摘された。

知的障害の特別支援学校に入学した後、病院に足を運んだものの、医師の見解は
「言葉が出ないのは知的障害のためでしょう」。ゆり子さんはその言葉を受け止めるしかなかった。

娘が小学5年になった今年、担任教諭から「耳が聞こえていないと思う。口元を見ている」と指摘された。
聴覚のありとあらゆる検査を受けようと決心し、やっと、難聴の一種「オーディトリー・ニューロパチー」であると分かった。
加我君孝東大名誉教授によると
「音自体は聞こえるが、不明瞭に聞こえるため、言葉として聞き取ることができない」のが特徴という。

      ■

なぜ、新生児聴覚検査で分からなかったのか。

新生児聴覚検査は、自動ABR(自動聴性脳幹反応)とOAE(耳音響放射)の2種類。
加我名誉教授は「オーディトリー・ニューロパチーはOAEだと正常と出る。
『何も悪くない』と言われやすいが、断言しては駄目なんです」。OAEで調べられるのは内耳まで。
一方、自動ABRは内耳と聴神経を同時に調べることができるため、検査に引っ掛かるという。
ゆり子さんの娘はOAEを受けていた。

厚生労働省は既に、都道府県などに対し「検査は自動ABRで実施することが望ましい」と呼び掛けている。
日本耳鼻咽喉科学会も同様に推奨しているが、自動ABRの検査機器は約250万円。
OAEは約100万円強で、検査がより短時間で済むことなどから、普及が進んでいない。

大分県によると、同県内の検査実施施設のほとんどはOAEを採用し、
福岡県では分娩(ぶんべん)を扱う診療所88施設の約半数はOAEという。
長崎県では、2016年度に同県で生まれて検査を受けた新生児9848人のうち、約4人に1人がOAEを受けている。

      ■

今まで知的障害児として教育をしていた娘に、手話を教え始めたというゆり子さん。
みるみる上達する娘を見ていると「知的障害の程度は、実は軽かったのではないか」
「自動ABRを受けられていたら、今ごろ話せていたかもしれない」と思わずにいられない。

九州大医学部耳鼻咽喉科の中川尚志教授は
「適切な時期に適切な介入をしていれば、二次的な知的障害が防げ、障害が今より軽減されていた可能性がある」と話す。

「障害は不便だけど不幸じゃない。けれど、周りの大人が不便に気付いてあげられないのは、
子どもにとって不幸ではないでしょうか」とゆり子さん。
自動ABRの普及とともに、親や医師、教育関係者ら子どもに関わる全ての大人に、この難聴を広く知ってもらうことが願いだ。



◆オーディトリー・ニューロパチー
1996年に論文発表された「新しい難聴」。
九州大医学部耳鼻咽喉科の中川尚志教授によると、通常、空気の振動である音は鼓膜で受け止められ、
内耳にある有毛細胞で電気信号に変換。
信号は有毛細胞からシナプスを介して聴神経で運ばれて脳に伝わり、言葉として認識できる。
オーディトリー・ニューロパチーの場合、内耳までは正常だが、有毛細胞から聴神経に信号の伝達がされない、
もしくは聴神経がうまく機能せず、信号が十分運ばれないことが原因とみられる。
「1000人に1、2人とされる先天性難聴の5%程度」とする海外文献もある。

盲ろう者も対話可能に 視覚障害者らがアプリ開発

2018.11.02 10:50|情報
以下、朝日新聞DIGITAL より引用

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目と耳が不自由な人たちがコミュニケーションをとれる無料アプリを東京都練馬区の視覚障害者、長谷川貞夫さん(84)が
考案し、ウェブデザイナーの高岡健吾さん(51)らの協力で実用化した。
点字の構成を応用してメッセージを送り、振動で読み取るしくみ。
触手話など互いに触れて対話する従来の方法とは違い、通信を使って対話できるのが特長だ。

全盲の長谷川さんは31歳のときから東京教育大付属盲学校(現・筑波大付属視覚特別支援学校)で教員として働き、
視覚障害者向けのワープロやパソコンの開発にも携わった。
「盲ろう者は通信手段がなく取り残されている」と感じ、長年盲ろう者向けのものを作ろうと考えてきた。

今回開発したアプリ「ザ・ブレイル」では、スマートフォンの画面の左側に1~3、右側に4~6の数字が並ぶ。
点字と同様、6個の点を組み合わせて50音を表現するしくみだ。
伝えたい文字の点6点の組み合わせを指でなぞって一筆書きして入力。

中央のボタンをタップして送信すると、一文字につき2~6回(1~6秒)の振動の長短で伝えられる。
点字が理解できれば、目が見えず耳も聞こえない「盲ろう者」と視覚障害者はこのアプリを使うことができる。

大人の耳鳴り、薬は効かず 患者1千万人、初の診療指針

2018.10.23 09:01|情報
以下、朝日新聞DIGITAL より引用

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大人の10人に1人以上が抱えている「耳鳴り」の診療に関する国内初の指針案を日本聴覚医学会がまとめた。
18日、神戸市であった大会で概要を発表した。
耳鳴りの多くは薬による治療は効果がなく、カウンセリングを丁寧にして
耳鳴りとうまく付き合えるように支援することの重要性を強調している。

耳鳴りは外に音源がないのに、自分の耳の中で音が聞こえる状態。
米国の診療指針(2014年)では、耳鳴りの経験がある人は成人の10~15%とされ、
日本には1千万人以上いるとみられる。
ストレスや難聴、耳の病気のほか、原因がよくわからない場合もある。
多くは回復が難しく、症状を和らげながらうまく付き合うことが必要だ。

指針では、治療の際にまずカウンセリングをすることを推奨した。
耳鳴りの原因や付き合い方を知ることで、患者が覚える不安や苦痛を軽くできる場合も少なくないと指摘した。

厚労省 障害者手帳をカードでも 来年度から希望者に

2018.10.22 08:50|情報
以下、毎日新聞 より引用

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障害がある人が持つ「身体障害者手帳」と「精神障害者保健福祉手帳」が
来年度から、希望者にはカードで交付されるようになる。
紙製より耐久性があり、持ち運びに便利なカードへの変更を求める声が上がっていた。
厚生労働省が、社会保障審議会の部会の了承を得た上で、政令を改正する。

両手帳は身体障害者福祉法と精神保健福祉法に規定され、政令で様式が決められている。
本人の申請を受けて都道府県や政令市などが交付し、取得者は電車やバスなど
公共交通機関の料金割引や所得税控除などの優遇措置を受けられる。
2016年度末時点の取得者は身体障害者手帳が約515万人、精神障害者保健福祉手帳が約92万人。

カードへの記載項目は氏名や住所、障害の程度などを想定している。
カードを希望しなければこれまで通り紙製の手帳を交付する。

知的障害者に交付される「療育手帳」は、国の通知に基づいて都道府県や政令市が独自の体裁で発行できるため、
既に一部の自治体がカード化している。

「LGBTは生産性がない」発言に潜む、他者と比べてしまう人間の性。そこから見えてきたものとは

2018.10.09 17:13|情報
以下、Yahoo!ニュース より引用

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今年の夏、「新潮45」8月号に寄稿された杉田水脈議員の「LGBTは生産性がない」発言は様々なところで波紋を広げました。

国会議員という立場でありながら「LGBは、嗜好のようなもの」(「新潮45」)原文ママ)と間違った認識をし、
「生産性」という言葉で人をはかる価値観を露呈したからです。
それに対して抗議の声を上げたのは、LGBTの人達だけではありません。
難病患者・障害者、そして、街の人々の思いを取材しました。

◇LGBは性的指向であり、嗜好ではない

ここ数年、今まで見えないことにされていたLGBTがテレビや新聞で取り上げられる頻度は上がっています。
電通ダイバーシティ・ラボの調査によると日本では13人のうち1人がLGBTと言われています。
企業や学校ではLGBTの社員や児童生徒への理解普及、環境整備が進められています。

このような社会の流れに対して、国会議員という立場にありながら、
好きになる性の指向を「嗜好」と間違えて公言することは、LGBTへの差別意識を深めることにつながります。
本来、国会議員ならば、率先してLGBTの人権を認め、社会の壁を見極めて取り除き、
法や環境の整備を推し進めるべきではないでしょうか。

◇抗議したのはLGBTの人達だけではない

障害者・難病患者の「生きてく会」は8月に都内で記者会見を開き、杉田議員の発言に対して抗議の声を上げました。
「生産性がないLGBTに税金を投入することは果たしていいのかどうか」という考えは、
一昨年の相模原障害者殺傷事件の植松被告の「日本には金がないのだから、
社会の役に立たない心失者(障害者)を活かしておく余裕はない」という発言と同質であり、
その根底には優生思想が流れています。
そうした思想を肯定する人々がいることに彼らは危機感を募らせています。

会見に出席した内山裕子さんは、ギラン・バレー症候群の後遺症があり、
現在も薬による治療をしているため、子どもを産むことができません。
記者会見では自身の経験を話し、重度の障害があるために子どもを産むことができない人など、
多くの人が傷ついていることを伝えました。

ALS患者である、JPA(日本難病・疾病団体協議会)の岡部宏生理事は、
誰しも病気や障害をもつ可能性はあり、当事者の目線を持って今回の発言を捉えて欲しいと訴えました。

「生きてく会」は、社会的少数派への行政支援のあり方を議論する前に、
まず共通の理解を深める場が必要だと考えています。
10月半ばには与野党の国会議員、少数派当事者、支援者の間で
「政治から差別発言をなくすために私たちができることは?」というテーマに意見交換を行う予定です。

◇一般市民の声

杉田議員の「生産性がない」発言について街の人はどのように感じたのでしょうか。

飲食店を経営する田島慶一さんは、「『生産性』は『作る』という意味だから、人に当てはまらない」と言い、
人を機械のように「生産性」という軸で評価することに疑問を投げかけます。
その上でサラリーマンだった時、周囲と比べる評価制度がストレスになり、うつ病になったことを打ち明け、
人は人の上に立ちたい思いが根底にあると思うと評価社会への複雑な胸の内を話しました。

◇評価社会から本来の「わたし」を取り戻すために

私が今回の取材で感じたのは、「生産性」で人をはかる発言の根底にあるのは、
行き過ぎた評価社会の表れではないかということです。
もちろん、人は誰もが認められたい、人の役に立ちたいという思いが大なり小なりあり、
その感情は働きがい、生きがいに結びつく場合もあります。
しかし、その度が過ぎると理想から遠ざかってしまった時、自分は価値がないと感じたり、追い込んだりすることになります。

そして、その度が過ぎた思考が自己だけでなく他者との関係性に持ち込まれた時、
高齢者、障害者など「弱者」とされている人達への差別意識や偏見、排除につながります。
このような思想を内面化させると自分が「弱者」になった時に「私は役に立たない人間」という刃となり、
今度は自分に向けてしまうのです。

人は社会的な動物である以上、評価したり、されたりしながら生きていくことから逃れられません。
だからこそ、自分の「ものさし」はどのように形作られているのかを見つめ、問い直し、語り直していく。
この作業が誰もが生きやすい社会づくりへの一歩となるのではないでしょうか。

手話で怒り、悲しみ

2018.10.01 12:42|情報
以下、毎日新聞 より引用

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◇強制不妊提訴 兵庫の夫婦が「声」

聞こえる人間も、聞こえない人間も対等です」―――旧優生保護法(1948~96年)に関する一連の国家賠償請求訴訟で
始めて、聴覚障害者が「声」を上げた。
神戸地裁に提訴した2組の夫婦は記者会見で、半世紀にわたり胸に秘めてきた怒りや悲しみを、手話を通じて訴えた。

中絶と不妊の手術を同時に受けさせられた兵庫県明石市の小林喜美子さん(86)は、
つえをつく夫宝二(たかじ)さん(86)と共に、会見の壇上に上がった。
結婚後ほどなく、喜美子さんの妊娠が分かったが、喜びもつかの間、母から
「赤ちゃんが腐っている」などと聞かされ、中絶手術を受けた。
夫婦は悲しみのそこに突き落とされたが「また子どもをつくろう」と励まし合ってきた。

だが、それから妊娠の兆しはなかった。「子どもができないのはどうして」。
疑問が氷解したのは今年。
旧法下で望まない手術を受けた障害者の存在を知人から聞き、自身の記憶と重なった。
宝二さんは怒りで顔をしかめながら「本当にずっと苦しかったことを国に訴えたい」と強調した。

一方、兵庫県内の高尾辰夫・奈美恵さん夫婦(70代・活動名)。
辰夫さんは結婚の条件として親から「子どもをつくってはいけない」と言われた。
式を間近に控えた頃、母に近所の病院に連れて行かれた。
ズボンを下ろされ「初めて不妊手術をされると気づいた」。
逃げたかったが、母に手話も通じず意思を伝えられなかった。

そのことを聞いた時、涙が止まらなかったという奈美恵さんは
「ろうあ者夫婦が子どもを持つ意思を尊重してほしかった」と訴えた。

2組の夫婦は、手話ができない親との意思疎通の難しさと、情報からの孤立の中で生きてきた。
ひょうご聴覚障害者福祉事業協会(兵庫県洲本市)の大矢暹(すすむ)理事長は、
原告と同世代の聴覚障害者が抱える背景として「生きるためには(結果的に)健常者に従順であることが求められ、
自由に意思を形成する教育や伝える手段が保障されなかった」と指摘する。

全日本ろうあ連盟(東京都新宿区、会員約1万9000人)は聴覚障害を理由に不妊手術や中絶を強いられた事例について
全国調査をしており、10月中にも結果を公表する予定。

◇大阪地裁に提訴女性「前の体に戻してほしい」

「手術を受ける前の体に戻してほしい」

不妊手術を受けさせられ、大阪地裁に提訴した女性(75)は、弁護団を通じてそう訴えた。
最愛の伴侶との子を持つ夢はかなわず、夫は事情を知らないままこの世を去った。
手術から半世紀を経ても、心や体の傷が癒えることはない。

大阪市内で生まれた女性は中学3年の時に日本脳炎になり、後遺症で知的障害に。
高校卒業後、母親に産婦人科病院へ連れて行かれ、説明のないまま手術を受けた。
後から「子どもができなくなる手術」と聞いてショックを受け、生きていくのも嫌になった。

1973年に結婚したが、手術のことは隠すよう母親に強く言われた。
夫婦仲は良く、子どもが欲しくてたまらなかったが、打ち明けられないまま92年に夫は亡くなった。

代理人の辻川圭乃弁護士は「遺伝性ではない障害者まで手術を強制された。
先天的でも許されないが、遺伝性でなくても手術できる法律を作った意味を国に問いたい」と語る。

女性の下腹部には2・5センチほどの手術痕が残る。
女性は「傷を見るたびに悲しくなる。国には私のショックと悲しみの大きさを知ってほしい」と訴えた。
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