となりの障害-難聴になって④

2016.01.30 10:19|情報
以下、③に続き 毎日新聞 より引用

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◇43%が転職を経験

2014年の厚生労働省の調査によると、雇用されている障害者は全国で推計43万3000人。
そのうち難聴を含む聴覚言語障害者は約5万8000人(13.4%)で、
肢体不自由(43.0%)、内臓疾患などの内部障害(28.8%)に次ぐ。
難聴者の中には、言語の取得後に突発性難聴や加齢などによって聴力が弱まった人だけではなく、
先天的な病気などで生まれつき聞こえづらい人も含まれ、置かれている状況もさまざまだ。

障害者雇用促進法により、障害者を雇用する企業は増えているが、
同調査によると43.1%の聴覚言語障害者が転職を経験しており、
就職しても、長く働き続けることの難しさが浮かび上がる。

都内の大手企業に勤める田村良夫さん(55)=仮名=は40歳の時、突然右耳に耳鳴りがし、突発性難聴と診断された。
大きな開発プロジェクト企画を担当し、部下もいた。2人の子どもは就学前だった。
半年後、左耳の聴力も低下し、「両耳の聴力が落ち続けたら、子どもを育てていけるのか」と真っ先に生活に不安を感じた。

感音性難聴のため、大声で話かけられたり、補聴器の音量を上げたりしても
語尾がはっきりと聞き取れず、会話のニュアンスが十分につかめない。
聴力が下がるにつれ、電話対応が難しくなり、会議にもついていけなくなった。

飲み会や職場の雑談からも遠ざかった。補聴器を使っても、騒がしいところでは誰が何を言ったのか聞き取れないからだ。
「会社の大切なことは飲み会のようなインフォーマルな場所で決まる。
重要事項をききもらすリスクを考えると参加できない」
上司との夜の付き合いもなくなり、開発の現場から外れた。

昨春、障害者手帳を取得し、会社に報告した。名刺にも「聴覚障害があります」と入れた。
「障害があっても受け入れられ、誰にとっても居心地が良い職場風土を作りたい」
ささいな取り組みだが、聴覚障害の同僚らと、社員食堂のあえて目立つ場所に座り、
覚えたばかりの手話で会話を試みている。


【⑤に続く】
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となりの障害-難聴になって③

2016.01.29 10:13|情報
以下、②に続き 毎日新聞 より引用

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◇大学生時代に発症

東京都葛飾区の会社員、渡辺江美さん(35)は、建築を学んでいた大学生時代の20歳ごろに両耳が聞こえづらくなった。
「母や弟ら家族に聞こえない人は多い」という。病院で検査したが原因は不明。
症状は内耳から奥の神経系に障害があって音が反響するなどして相手の言葉が聞き取りにくくなる「感音性難聴」だ。
聞こえる音量は小さくなるがはっきり聞こえる「伝音性難聴」と違い、補聴器の音量を上げても聞き取りにくい困難さがある。

渡辺さんは大学卒業後、設計に携わりたくて不動産会社に就職した。
しかし、配属先は電話で不動産を売り込む営業部。受話器からの声が言葉として頭に入らない。
「特に男性の低い声が聞き取れず、相手のいらいらを感じると、焦って一層聞こえなくなった」
壁の営業成績グラフは、同期の仲間は伸びるが、自分だけゼロ。
受話音量を大きくする装置を買って受話器に取り付けたが、聞き取れない音が大きくなるだけだった。

それでも「まだ聞こえている」と、上司に相談したり、異動を希望したりしなかった。
不意に涙が出るようになり、入社3カ月で退社した。

◇分かったふりして

ハローワークで、電話対応ができないと告げると再就職のあっせんが進まない。
アルバイトの面接は「安全上の理由」などとして断られ続けた。
そんな中、衣料品販売大手に採用された。理由は「笑顔」だったという。

しかし、聴力はさらに落ちた。シャツ売り場で話しかけてきた初老の男性に、とっさに
「サイズをお探しですか」「色ですか」「形ですか」と聞き返した時の男性のあきれ顔が忘れられない。
「トイレの場所を尋ねられたんだ」と、同僚が教えてくれた。
「会話の展開を予測して分かったふりをすることがくせになっていた」と振り返る。

店員として誠実な対応を自問した。
一度は退職を申し出たが、上司は「どうしたら働きやすくなるか考えてごらん」とアドバイスしてくれた。
その言葉で前向きになれた。
「耳が不自由です。手話わかります」と書かれたバッジを胸に付けることにした。

再就職して12年。店舗内のレイアウトの公安などに携わることが増えたが、今でも1日2~3時間は売り場に立つ。
バッジを見て避ける人もいるし、声をかけてくれる人もいる。
「難聴を隠すとつらいのは自分」
難聴者であることをオープンにすることで心が軽くなった。バッジは休日の外出にも携帯している。


【④に続く】

となりの障害-難聴になって②

2016.01.28 10:37|情報
以下、①に続き 毎日新聞 より引用

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◇自覚しないまま

厚生労働省によると、聴覚障害者の認定基準は「聴覚が両耳で70デシベル以上」とされ、
2014年度末で、国内に約45万人いるとされる。
「70デシベル以上」は、耳元での大声や電話の着信音を聞き分けることが難しいレベルだ。

一方、日本補聴器工業会が昨年発表した独自推計によると、国内で約1430万人(人口全体の11.3%)が
「聞こえづらいと感じている」とされる。
同会事務局は「自覚のないまま聴力が低下している人を含めると、もっと多くの人が聞こえづらい状態にあると推測できる」
という。

聴覚障害者は、会話が分からなくても笑顔で黙ってうなずく仕草から、「ほほ笑みの障害」と呼ばれることもある。
世田谷区の看護専門学校に通う林直樹さん(27)=仮名=は、先天性の難聴で、
静かな場所でないと普通の会話も聞こえづらい。

小学校は普通の学級に在籍し、中高一貫の私立高に進学した。
同級生との会話は、はっきり聞き取れなくても相づちを打って済ましてきた。
「何とか学校生活が遅れたので、自分の聞こえ方を深刻に考えなかった」と振り返る。

「聴力の壁」を感じたのは、看護専門学校に入ってからだ。
聞こえづらさは、入学後すぐに同級生に伝えた。
しかし、グループごとの実習では議論に入れず、作業手順が頭に入らなかった。
周りがひそひそ小声で話しているように感じ、悔しさと疎外感でいっぱいに。実習4日目で教室に行けなくなり、退学した。
看護師の夢をあきらめきれず、別の看護専門学校に入り直し、今春卒業する予定だ。

◇見えないから誤解

全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴)の新谷友良理事長は
「難聴者・中途失聴者は、自分から『聞こえない』と言わない限り、聞こえていないことが相手に伝わりにくい」といい、
難聴が「見えない障害」だと指摘する。
さらに「『最終的につじつまが合えばいい』と、その場限りの対応で済ましてしまう人も多い」と語り、
難聴者がコミュニケーションで誤解を生じやすいことを説明する。

4月から、林さんは総合病院で勤務し始める。
患者の声は一言も聞き漏らしたくない。聞き取れなければ問い返すつもりだ。
「集中力が必要。だからこそ患者さんの深いところにある思いをくみ取れる。それは看護師にとって大切な役割」と前を向く。


【③に続く】

となりの障害-難聴になって①

2016.01.27 13:58|情報
以下、毎日新聞 より引用

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◇なぜ気付かない?

「こんなにひどくなるまで、なぜ連れてこなかったんですか。お母さんなら、この音に気付くでしょう」
東京都内の主婦、成宮智子さん(48)は今でも、約20年前の場面を思い出す時がある。
当時、幼児だった長男の胸からぜんそく患者特有の「ヒューヒュー」という音が出ていた。
補聴器をつけていてもその音が聞こえなかった。何気ない医師の言葉が、いくつも胸に刺さった。

成宮さんは3歳の時、はしかが原因で難聴になった。聞きづらいと感じたのは、幼稚園の頃。
先生から呼ばれていることが分からず、「返事をしない」とよく注意された。
本当ははっきり聞こえないのに――。先生に注意されてばかりでこわくて、自分が悪いと思い親に言えなかった。
相手の口の動きを見て、話の内容を推測し、みんなに合わせて笑いごまかしてきた。

難聴をはっきりと自覚し、周囲に打ち明けたのは小学2年生の時だ。
読み上げる言葉を漢字で書くテストで全く聞き取れず、「もう限界だ」と悟った。
家族は智子さんの難聴をようやく知った。

23歳で結婚し、2児の母になった。乳幼児期は数時間ごとの夜泣き。
就寝時は鳴き声を聞き漏らすまいと、雑音も拾ってしまう補聴器をつけ、音量を全開にした。

「言っても仕方ない」と思い、できるだけ難聴を隠してきた。
保護者会、電話連絡、卒業式……。ささいな会話にも神経を使った。
「子育て中は、毎日へとへとだった」

しかし、40歳の時転機が訪れる。
手話サークルに入り、自分以外の難聴者に初めて出会って励まされた。
「難聴を隠さなくていいんだ」

その後、難聴者として外資系の会社2社に就職。
社内研修で、「障害者が、職場で理解してもらえるために自分自身から何を伝えていけばいいか」について学び、
難聴を隠さなくなった。
「人とのコミュニケーションは、まだまだ難しいと感じるが、少しずつ前向きになっている」という。


【②に続く】

タブレット教室

2016.01.25 18:41|事業案内
欲しいんだけど使い方が不安…
初期設定とかどうやればいいんだろう…
どうやって使いこなせばいいのかな…

そんなあなたのためのタブレット講座です。

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日時 2016年3月9日(水) 13時30分~16時
場所 奈良県聴覚障害者支援センター 研修室
講師 前川 博美 氏  (auOSAKA 手話スタッフ)
費用 無料
定員 各コース10名 (先着順:2016年2月26日 〆切)

申込先  奈良県聴覚障害者支援センター
         0744-21-7888 (FAX)
         0744-21-7880 (TEL)

     = 詳しくはこちら =

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難聴者のためのIT講座⑥

2016.01.23 17:18|事業案内
学べば学ぶほど、奥の深いIT。
今回もExcelを駆使して、パソコン操作のスキルアップをしてみませんか?

希望のコースを明記の上、下記へお申し込みください。
(要約筆記がつきます)

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日時 2016年1月18日(月) 10時~15時
     「エクセルを慣れよう!  (基本編)」 (10時~12時)
     「エクセルを使いこなそう!(応用編)」 (13時~15時)
場所 奈良県聴覚障害者支援センター 研修室
講師 西 邦夫 氏  (芝パソコン同好会 講師)
費用 無料 (ただし、受講にはパソコンと延長コードが必要)
定員 各コース10名 (申込制:2016年3月8日 〆切)

申込先  奈良県聴覚障害者支援センター
         0744-21-7888 (FAX)
         0744-21-7880 (TEL)

     = 詳しくはこちら =

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トータルコミ学習会⑨

2016.01.22 17:30|事業案内
残存聴力・口話・手話や指文字・筆談や空書などを活用し
相手の条件やその場の状況、話題などに応じて
トータル(可能なすべての方法)でコミュニケーションしてみませんか?

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日時 2016年2月17日(水) 13時~15時
場所 奈良県聴覚障害者支援センター 研修室
講師 阿部 和恵 氏  (奈良県登録手話通訳者)
費用 無料
定員 15名

連絡先  奈良県聴覚障害者支援センター
         0744-21-7888 (FAX)
         0744-21-7880 (TEL)

     = 詳しくはこちら =

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「奈良県おもいやり駐車場制度」が平成28年1月から始まります

2016.01.20 16:53|情報
奈良県健康福祉部よりおしらせです

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奈良県おもいやり駐車場制度

この制度は、誰もが安心して移動できる地域社会を実現するため、
車いす使用者や高齢者など移動に配慮が必要な方のための駐車場を整備するとともに、
これらの方に利用証を県が交付し、当該駐車区画を利用できるようにするものです。
県民の皆様のご理解とご協力をお願いします。

 ※駐車区画には、車いすの方に優先して利用いただける「車いす優先駐車区画」と
車いすを使用していない配慮が必要な方に利用いただける「ゆずりあい駐車区画」の2種類があり、
利用証もそれぞれのものがあります。

 ※利用対象者 障害のある人、高齢者、難病患者、妊産婦、けが等により一時的に歩行が困難な人[


     = 詳しくはこちら =

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手話言語法制定をめざすイベント

2016.01.14 16:57|情報
奈良県聴覚障害者協会よりおしらせです

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手話言語法制定に関する運動がはじまっており
全国各地で取り組まれています。

奈良も「手話言語法めざすイベント」と題し
手話言語条例制定に関する全国の取り組みの報告のあと
第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園で優勝された
奈良県立ろう学校演劇部に、公演をしていただきます。

県民ならば、入場無料。ただし、整理券が必要です。
ご希望の方は、当協会事務所にお申し込みください。

  奈良県聴覚障害者協会
    FAX 0744-29-0134
    TEL 0744-29-0133

多数のご参加を、お待ちしております。

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2016小寒

2016.01.11 14:51|つれづれ
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初春のお慶びを申し上げます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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日本に、世界に、地球上に、
そして、あまねく全ての星々に
平穏が訪れますように。

センター業務(2016/01)

2016.01.05 09:00|お知らせ
2016年が明けて 5日経ちました。
本日より、支援センター 業務再開です。

1月は、研修やセンター外での講座も多く
またその日程が 重なることが 多々あります。

勤務体制の都合上、電話対応が難しくなったり
やむを得ず、開所時間を短縮する場合があります。
お知りおきください。


なお、本日は15時までの開所となっております。
本年も、どうぞ よろしくお願いいたします。
                             職員一同

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 2016年申年 橿原神宮大絵馬
    日本画家 藤本静宏 氏(奈良県美術人協会会員)

年頭のごあいさつ(2016/01)

2016.01.01 06:00|ご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
皆さまにおかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのことと存じます。

日ごろより、当センターの事業・運営に対し、
温かいご理解とご支援をいただいておりますこと、厚くお礼申しあげます。

昨年は、手話言語法制定を求める意見書が、1784を超える99.8%の地方自治体で
採択されるなど、大きなうねりとなって、全国津々浦々にまで広がりました。
また、当県におきましては、
言語(手話を含む)その他の意思疎通のための手段の選択の機会保障が基本理念に入った
「奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」が制定され、
本年4月1日より施行となります。

今後も、合理的配慮に基づく情報コミュニケーション保障が、
いつでもどこでも得られる社会の実現を目指して
皆さまとともに精力的に取り組んでまいる所存ですので、
ご指導ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。


2016年 元旦
奈良県聴覚障害者支援センター
所長  長谷川 芳弘
| 2016.01 |
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NDSセンター

Author:NDSセンター

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