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意思疎通に「手話」重要 県民の理解と普及を

2017.09.29 13:35|情報
以下、奈良新聞 より引用

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奈良県手話言語条例の制定は、
「手話に言語を含む」と明記した「奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」制定以降、
障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら、
安心して暮らすことができる社会の実現を求める聴覚障害者の願いが条文化されている。
条例制定にも意見を表明するなどの活動を行ってきた一般社団法人奈良県聴覚障害者協会の村上武志理事長に
お話をうかがった。

【インタビュー】 一般社団法人奈良県聴覚障害者協会 村上 武志 理事長

◇手話を第一言語に

― 聴覚障害とはどのようなものでしょうか。

村上/聞こえない人を聴覚障害者と言いますが、聴覚障害の原因や種類、聞こえの程度がさまざまなため、
 聴覚障害者は、「中途失聴者」「難聴者」「ろう者」に分かれますが、コミュニケーション方法が違います。

 中途失聴者は、音声言語を獲得した後に聞こえなくなった人で、まったく聞こえない中途失聴者でも、
 ほとんどの人は話すことはできます。
 難聴者は聞こえにくいけれど、まだ聴力が残っている人です。
 補聴器を使って会話できる人から、わずかな音しか入らない難聴者までさまざまです。
 ろう者は、音声言語を獲得する前に失聴した人で、そのため手話を第一言語としている人がほとんどです。

◇視覚情報の必要性

― 聞こえないことで、日常生活はどのような点で困りますか。

村上/私はろう者ですので、私の体験で話をさせていただきます。
 私は印刷会社の会社員ですが、通勤途中で電車が急に止まったとします。
 止まったということは分かりますが、情報は音声アナウンスなので、状況が分からないのです。
 視覚情報が必要だと思います。
 会社ではコミュニケーションが重要ですが、筆談、特に要約筆談では理解が困難な場合が多いです。
 文字言語に置き換えると、デリケートな、言いたい部分がうまく伝わらないのです。
 テレビでは字幕が増えてきましたが、普及はまだまだです。
 字幕と合わせて手話ワイプもつけて、どんどん増やしいく必要があります。

 それと歴史的な問題なのですが、ろう学校の教育において、口話教育が用いられるようになりました。
 これは読唇と発声訓練を中心としていますが、その結果、ろう者の尊厳は傷つけられ、
 十分な学力が保障されない状態になります。ろう者には手話による意思疎通が重要です。

 率直に言って、見えないところで障害があり、差別があります。
 聞こえていないいと分かったら、筆談するなりパソコンで表示するなりする人はまだいいのですが、
 聞こえていないことに何の配慮もしない人がいるのです。
 またある有名な近代産業遺産の観光地では、聴覚障害者は危険だからという理由でツアーに参加させてくれません。

― 手話言語による意思疎通にとって重要と思われることは。

村上/コミュニケーションは、単に音声言語だけではなく、顔の表情や手、指の動かし方などの視覚言語も重要です。
 そのことを理解していただいたうえで、手話でのコミュニケーションが必要であることを社会的に理解してほしいと思います。

 たとえば食事して「おいしい」と筆談されても、ピンとはきません。
 手話で「おいしい」と言われれば、そこには「おいしい」という気持ちが伝わってきます。
 災害に遭って、手話で「津波だ、逃げろ」といわれれば、緊迫感が伝わってきます。
 しかし「逃げろ」というメモを見せられても、何がどの程度危険なのか、実感は沸きません。

 また手話以前の問題として、メモ用紙を用意していないお店が結構あって、分からないで通されてしまう場合があります。
 お店はどんなお客様が来るか分からないのですから、せめてメモ用紙ぐらい置いてほしいと思います。

◇聞こえる人と交流

― このたび奈良県手話言語条例が制定・施行されました。
 県民に知ってほしいこと、今後に期待されることについてうかがいたいと思います。

村上/奈良県手話言語条例の要点は、県が市町村と連携して、手話の普及に必要な施策を定め、
 これを統合的かつ計画的に推進することです。
 すなわち、手話を使用しやすい環境を整備していくと定めていることです。
 条例の制定過程においては、私も意見を述べさせていただきました。

 手話によるコミュニケーションができないと、地域社会などで受け入れてもらえないのです。
 私の場合、3人兄弟の真ん中で、兄と弟は聞こえます。
 しかし私はろう者なので、地域の子供会などに参加できなかった経験があります。
 そのような自分の経験を、これからの世代のろう児に味わってほしくないという思いがあります。

 奈良県手話言語条例の制定を機会に、県民のみなさんが手話に関心を持ち、理解し、習得していくようになればと思います。
 手話は一見難しそうに見えますが、手話通訳者になるのならともかく、日常生活の意思疎通レベルでしたら、
 きちっと学ぶ機会があれば習得は困難ではありません。
 ろう者と聞こえる人の理解と交流が深まり、それが奈良県から全国へと広がっていくことを期待しています。
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