以下、
YOMIURI ONLINE より引用
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18日公開のウクライナ映画「ザ・トライブ」(ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督)は、
全編手話のみで観客をくぎ付けにするパワフルなドラマだ。
舞台は、ろう者のための全寮制の学校で、そこを隠然と支配する暴力的な集団が「トライブ(族)」
その中に取り込まれた転校生の少年の悲劇を鮮烈に描き、
2014年のカンヌ国際映画祭批評家週間ではグランプリなどに輝いた。
登場人物はみな、ろう者。主人公が恋するヒロイン、アナを演じたヤナ・ノヴィコヴァは、
「これは無声映画のように見て理解する映画。
監督が発想し、監督が作ったものですが、聞こえない私たちの苦しみ、怒り、本当の気持ちを表していて
それを観客のみなさんが共有できるようになっている」と話す。
出演者たちの表情や体の動きは、言葉以上に雄弁。
「それは聞こえない人間の強み」とし、「ほとんどの人が目が離せないとおっしゃってくださる」と自信をのぞかせる。
21歳。ベラルーシ出身で、生後2週目で病気のために聴力を失った。
「6、7歳のころ、映画『タイタニック』を見て女優になる夢を抱きました。
母は『聞こえないからだめでしょう』と言いましたが、なぜだろうと思っていました」
夢を追いかけ、ウクライナのキエフに出て、ろう者による劇団のオーディションに参加。
その時にスラボシュピツキー監督の目にとまった。
初めての映画で与えられたのはアナという難役。
売春で稼いでいる、トライブの一員という設定で、全裸で演じる場面もある。
「アナは全く自分と違う。最初はどうしていいかわからない、できないと思った」という。
そんな時、監督に勧められた映画の一つが、2013年にカンヌで最高賞パルムドールを受賞した「アデル、ブルーは熱い色」。
裸で愛を交わす女優たちの渾身こんしんの演技への評価も高い作品だ。
「見て、考え、影響され、自分も一生懸命挑戦して作っていこうと思いました」
今後も女優として挑戦を続けていく。母も応援している。
「この作品で聞こえなくてもできることを示せた。さらに挑戦し、いろんな人生を演じて、女優としての幅を広げていきたい」
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