となりの障害-難聴になって③

2016.01.29 10:13|情報
以下、②に続き 毎日新聞 より引用

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◇大学生時代に発症

東京都葛飾区の会社員、渡辺江美さん(35)は、建築を学んでいた大学生時代の20歳ごろに両耳が聞こえづらくなった。
「母や弟ら家族に聞こえない人は多い」という。病院で検査したが原因は不明。
症状は内耳から奥の神経系に障害があって音が反響するなどして相手の言葉が聞き取りにくくなる「感音性難聴」だ。
聞こえる音量は小さくなるがはっきり聞こえる「伝音性難聴」と違い、補聴器の音量を上げても聞き取りにくい困難さがある。

渡辺さんは大学卒業後、設計に携わりたくて不動産会社に就職した。
しかし、配属先は電話で不動産を売り込む営業部。受話器からの声が言葉として頭に入らない。
「特に男性の低い声が聞き取れず、相手のいらいらを感じると、焦って一層聞こえなくなった」
壁の営業成績グラフは、同期の仲間は伸びるが、自分だけゼロ。
受話音量を大きくする装置を買って受話器に取り付けたが、聞き取れない音が大きくなるだけだった。

それでも「まだ聞こえている」と、上司に相談したり、異動を希望したりしなかった。
不意に涙が出るようになり、入社3カ月で退社した。

◇分かったふりして

ハローワークで、電話対応ができないと告げると再就職のあっせんが進まない。
アルバイトの面接は「安全上の理由」などとして断られ続けた。
そんな中、衣料品販売大手に採用された。理由は「笑顔」だったという。

しかし、聴力はさらに落ちた。シャツ売り場で話しかけてきた初老の男性に、とっさに
「サイズをお探しですか」「色ですか」「形ですか」と聞き返した時の男性のあきれ顔が忘れられない。
「トイレの場所を尋ねられたんだ」と、同僚が教えてくれた。
「会話の展開を予測して分かったふりをすることがくせになっていた」と振り返る。

店員として誠実な対応を自問した。
一度は退職を申し出たが、上司は「どうしたら働きやすくなるか考えてごらん」とアドバイスしてくれた。
その言葉で前向きになれた。
「耳が不自由です。手話わかります」と書かれたバッジを胸に付けることにした。

再就職して12年。店舗内のレイアウトの公安などに携わることが増えたが、今でも1日2~3時間は売り場に立つ。
バッジを見て避ける人もいるし、声をかけてくれる人もいる。
「難聴を隠すとつらいのは自分」
難聴者であることをオープンにすることで心が軽くなった。バッジは休日の外出にも携帯している。


【④に続く】
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