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聴覚障害者の知られざる苦労、抗がん剤治療を拒否された理由①

2018.05.22 18:05|情報
以下、DIAMOND online より引用

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役所や病院、スーパー等で、耳が聞こえない人に対応する「耳マーク(筆談します)」が設置されている。
だが、手話でコミュニケーションを取る、ろう者(聴覚障害者)の中には日本語の読み書きが難しい人がいることは
あまり知られていない。
手話で安心した暮らしが実現できるよう、8年越しの「手話言語法」の制定を、今こそ目指す。

◇手話を通訳するサポートサービスの普及が広がっている

耳の不自由な方は、(1)生まれつき聞こえない、(2)生まれたときから、聞こえが悪い(わずかながら聞こえる)、
(3)事故・病気・加齢で、途中で聞こえなくなった・聞こえにくくなった、の3タイプに大別できる。
この中で、主に手話によってコミュニケーションを取る人は「ろう者」と呼ばれる。

昨年、全日本ろうあ連盟が発表した調査結果によると、「聞こえないから」という理由で、
差別的な対応を受けた経験がある人は、回答者(811人)の87.4%にのぼった。 

例えば、飲食店で予約や入店を断られた、不動産会社で家を借りられなかった、
旅行会社でツアーに参加できなかった、遊園地でジェットコースターや観覧車に乗れなかった等の回答が集まった。

病院での差別的対応は、職場に続いて、2番目に多かった。

例えば、こんなエピソードを紹介しよう。

ろう者のある女性は大腸がんの術後、肺に転移したため、抗がん剤治療が必要になった。
近年、抗がん剤治療は入院でなく、外来による治療が中心になりつつあり、点滴を受けたあと家に帰ることができる。
だが、自宅で副作用が出た場合は、すぐ病院へ連絡して対応を相談しなければならない。
このため、女性は医師にこう言われた。
「電話ができないなら、この治療は受けられません」

驚いた女性は「FAXで連絡できます」「社会人の子どもは耳が聞こえるので、代理電話をしてもらいます」と
医師に伝えたが、「本人からの電話でないとダメです」と取り合ってくれなかった。
女性とご主人は失意と絶望で泣いたという。

7ヵ月後、その女性は同じろう者で乳がんの治療を受けている東京都在住の皆川明子さんと出会った。
皆川さんがその女性に「別の病院でセカンドオピニオンを取ったらどうか」と提案したところ、
FAXの送受信でも抗がん剤治療を受けられるという病院が見つかった。
だが、治療のかいなく、その女性は治療開始後、半年で亡くなった。

皆川さんは「私たちろう者は、健聴者の方より情報量が圧倒的に少ないため、
女性はセカンドオピニオンについて知らず、治療の空白期間が7ヵ月もできていました。
もっと早く抗がん剤治療を受けられていたらと思うと、残念でなりません」と悔しさをにじませる。

大学病院の腫瘍内科の医師に、この話について意見を聞いたところ、
「例えば、うちの病院では外来化学療法室や診察室のフロアにFAXがありません。
医事課や医局にFAXが届くことになりますが、リアルタイムでやりとりするためには
工夫が必要になり、却下されるかもしれませんね」と話す。

しかし、病院側が対策を打つことはできる。

近年、コンピューターやタブレットのテレビ電話機能を用いて、手話通訳士が対話する人の間に入り、
手話を通訳するサービスが普及している。

例えば、昨年、損害保険ジャパン日本興亜が「自動車保険の事故対応時の場面」で、
三菱UFJ銀行が「キャッシュカードの紛失・盗難時の取引停止手続きの場面」で、このサービスを開始した。
羽田空港や成田国際空港にも設置され話題になったが、一般的な社会の認知度は低い。

この手話を通訳するサービスには、「聞こえない人が、その場にいない聞こえる人に電話する場合(電話リレーサービス)」と
「その場に聞こえる人と聞こえない人がいて、対話を通訳してもらう場合(遠隔手話サービス)」の2種類がある。
文字通訳サービスもある。
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